インターネットが私たちの生活に欠かせないものとなった今日、その基盤を支えるのが海底ケーブルです。光ファイバーケーブルを海底に敷設することで、大陸間でも高速かつ安定したデータ通信が可能になります。
このブログ記事では、南米と北米を繋ぐ重要な海底ケーブルシステム「Seabras-1」にスポットライトを当てます。2017年に運用を開始したSeabras-1は、南米と北米間の通信容量を飛躍的に向上させ、デジタル社会の発展に大きく貢献しています。
特徴
2017年に運用を開始したSeabras-1は、南米と北米を結ぶ初の高速海底ケーブルシステムとして歴史に名を刻みました。それまでの海底ケーブルシステムと比べて、圧倒的な通信容量と低遅延を実現し、南米におけるインターネット環境を大きく変革しました。
具体的には、従来の海底ケーブルシステムの数十倍となる最大72 Tbpsの通信容量を誇り、南米と北米間の膨大なデータ通信を支えています。また、コヒーレントDP-QPSKという最新の変調方式を採用しており、低遅延での通信を実現しています。オンラインゲームやビデオ通話など、リアルタイム性が求められるアプリケーションにおいても、快適な利用が可能となっています。
工事
Seabras-1の敷設工事は、全長約17,000kmにも及び、南米のブラジルから北米のアメリカ合衆国まで海底を横断する壮大なプロジェクトでした。しかし、海底環境は非常に過酷で、工事は多くの困難に直面しました。
海底には、岩礁やサンゴ礁などの障害物があり、ケーブル敷設船は慎重に操縦する必要がありました。また、海底地震や台風などの自然災害も、工事を妨げる大きなリスクとなりました。
ケーブル敷設船には、高精度な測位装置や遠隔操作ロボットなどが搭載されており、海底環境を正確に把握しながら、ケーブルを安全かつ効率的に敷設することができました。
意義
Seabras-1は、ブラジル国内の通信料金の値下げを促進し、インターネット利用者数を増加させました。これにより、情報格差の縮小にも貢献しています。インターネットにアクセスできるようになることで、教育や医療、就職などの機会が広がり、ブラジル国民の生活水準向上に繋がるものと期待されています。
まとめ
Seabras-1は、単なる海底ケーブルシステムではありません。南米と北米を繋ぐ架け橋として、情報通信の発展だけでなく、両地域間の繁栄にも貢献しています。